業績の向上や人手不足の解消などの観点から、従業員のやる気を引き出すことは多くの企業にとって大きな課題となっている。ではどうすれば、「やる気」をアップさせることができるのか。
職場環境の改善や昇給、風通しのよい組織運営、そんなキーワードが思い浮かぶが、その具体策となると、なかなか難しいようだ。ある人にとっては、「やる気が出る」対策であっても、「それでは、かえってやる気がなくなる」という人も・・・。2016年に入り、そんな対立の構図があらためて注目される動きがあった。
給料上げて休み増やせば
16年1月16日、ツイッターに次のような投稿があり、注目を集めた。経済誌に載っていた「やる気アップ」策の中の10項目について記事写真付きで紹介し、
「こんなのでやる気出るわけないだろ 給料上げて休み増やせばやる気出るよ」
とつぶやいた。これが、1週間も経たないうちに約1万9000リツイートにも及ぶ反響を呼んだ。
引用したのは、表紙に「2016年こそ無気力社員0(ゼロ)計画 強い現場の100の知恵」という大きな見出しが躍る『日経ビジネス』(16年1月18日号)の記事。
ツイートが紹介した10項目は、
「家族も参加できる大運動会」「ランチ仲間を抽選でランダムに」「賞金付き社員相互表彰制度」「新入社員が社員旅行を企画」など。
「むしろやる気減」
先に引用したツイートに対しては、
「これ見事に全部逆効果だな。社内運動会とかせっかくの休日潰してやるんだろ?」
「出ない...むしろやる気減... なんだよ『ランチ仲間を抽選で』って。休憩ぐらい好きにさせろよ」
などと同調する声が多数上がった。
もっとも、この10項目は、表紙の見出しにもある「100の知恵」の中の一部。いずれも、組織活性化のために「一体感」を出す対策を紹介するコーナーの、ある1ページの右隅にまとめて掲載された内容だ。
残る90項目には、「人生初体験に挑戦する社員に特別休暇」「欠勤する場合も報告義務なし」「評価や給料、賞与を全社員参加で決定」といった策が挙がっている。
仕事を楽しむための工夫「第1位」は
一方、企業が行う対策ではなく、社員・従業員側が工夫できることには、どんなものがあるのか。
日本能率協会グループの「ビジネスパーソン1000人調査」(15年7月31日発表)によると、「仕事を楽しんでいる人」は40.8%だった。また、「仕事を楽しむために工夫していること」の上位は、1位の「ポジティブに考えるようにする」以下、「コミュニケーションをとる(挨拶や相談・おしゃべりなど)」「目標を立てる・達成感を味わう」などが続いた。
さて、あなたにとって、「やる気が出る」、「仕事が楽しくなる」方法は何だろうか。(MM)