都会の有名企業で活躍するビジネスパーソンや、華やかなOLら・・・そんな『都会の様子』を知るたびに、憧れるあまり辛くなるという人が、中にはいるようだ。
一方で都会については、その人混みや通勤地獄など「人間らしい生活」ができる場所ではない、と考える向きも。「都会に憧れる」人は、思い切って都会に出た方がよい?やめておいた方がよい?
「アットホームだが、選択肢は狭い」
読売新聞の掲示板サイト、発言小町には、「大企業への憧れが辛い。」というトピックがあった(2015年12月7日)。表題には「大企業」とあるが、大企業の本社が多くある「都会への憧れ」の部分も強いようだ。
投稿者は「地元の大学を出て、正社員3年目」の、おそらくは女性。ある事情で、「地元の田舎から出ることはできない」とし、「田舎でできる、限られた仕事に就いた」が、最近になって、「ネットや雑誌のキラキラした人や街を見る度に、自分の人生が嫌になります」という。都会へのあこがれとモヤモヤは、どうすれば解消されるのか?
投稿者の住む『田舎』は、過疎化と高齢化が進む。「高卒後すぐ就職した人、事情があって地元で就職しなければならない人以外、若者はほとんどいない」そうで、「様々な意味で、選択肢はとても狭いです」。投稿者と同じ高校の卒業生は、「9割が県外の大都市等に出て、大企業に勤める者も多くいます。一度出てしまえば、ほとんどが帰ってきません」。そんな同級生と自分を、比べてしまうのだろうか。
よくいえばアットホームでのどかだが、「オシャレや小奇麗なものとは程遠い人、街。職場、あらゆるところに顔を出す度に、自分の心が激しくざわつき、閉塞感でいっぱいになります」と、悩む投稿者。「地元の良いところを見つける努力」もしたが、「このまま閉塞感の中で一生、生きていくんだと思うと、絶望感でいっぱい」と、不安をにじませた。
始発に終電の毎日
そんな投稿者には、「都会での社会人生活は、大変なことばかりですよ」との声も、多く寄せられている。
「夫も娘も都心の大企業本部に勤務してます」という女性からは、「はたから見るほど生易しくはない世界。大企業では優秀な人材が多い分、当然仕事でのライバルも多く、強健でストレス耐性がないと厳しい」との意見が。回答者は、「強く逞しくチャレンジしたい主さんを応援します」と言いつつ、「夢と現実のギャップに打ちひしがれるかもしれません」と、注釈をつけた。
「息子は、始発に終電の毎日です」という女性は、息子や孫に会うため、東京へ行くこともあるが、「人混みが凄い・・・地震が来たらアウト! 保育園待機待ち」「スモッグも酷く、本当は、地元に帰って子育てして欲しい。人間らしい生活ができます」と、東京の『ひどさ』をつづった。
「一生悶々として生きるよりも」
地方の『閉塞感』に悩む投稿者を、励ますコメントもある。
「田舎出身者」で、大学進学と同時に田舎を出て、「今は都会で大企業に就職、そのまま結婚した」女性は、「地元にいるときは、嫌で嫌でたまらなかった」が、里帰り出産をした際、「地元のいいところがたくさん見えて、『帰ってもいいな』と思ったんですね」。そう思えたのも一度、地元と「距離を置いたから」。だからこそ、なんとかして田舎を出てみるのがいいと思う、と助言した。
「一生悶々として生きるより、田舎から飛び出してみちゃえば? 一度限りの人生、やらずに後悔するよりやって後悔したほうがいいかもしれません」と、後押しする人もいる。なんだか勇気が出てきそうだ。
一方で、ある人は、「親元・地元を離れたい気持ちって、だいたい20歳前後くらいがピークかなと思います」とコメント。「まあ、そのうち落ち着きますよ。年齢とともに体力が落ちて、いろいろ面倒くさくなりますから」と、醒めた意見を寄せていた。(KH)