日本なら1人分の仕事に5人がかりで
調べること自体は、Google先生に聞けば何でも教えてくれるので大した作業ではないのですが、いちいち、調べて、実行するということをしなくてはなりません。つまり、仕事が複数の人間の分業ではなく、1人の人間がPCを使って多くの仕事をしなくてはならなくなったため、細かいやることが増えたのです。
「文字をきれいに書く」「宛名の礼儀を正確に知る」など少ない種類の業務を深く知っていればよかった時代は過ぎ、たくさんの事を浅く広く知り、平行してたくさんの細かい作業を管理できる能力が必要になってきたのが21世紀だといえます。
この、たくさんの作業の同時処理をできる人が必要というのは、多くの人にとって非常に厳しいです。人間、誰しも得意不得意があります。逆に言えば、どんなに鈍くさい人でも、なにかしら得意なものはあります。
この子は字だけはうまい。この子は力だけはある。この子は計算だけは速い。そんな特技があれば、それを活かした仕事があったのです。しかし21世紀になり、必要な仕事はあらかた機械がやってくれるようになった場合、ひとつの特技だけしかない人は機械に勝てなくなってしまったのです。
フィリピンやカンボジアで生活をしていると、扉を開けるだけの人、テーブルを拭くだけの人、掃除をするだけの人など、ひとつの事しかしないスタッフがたくさんいます。日本のコンビニでバイトするスタッフなら1人で片付けるくらいの仕事に、5人以上の人が携わっていることもしばしばです。
なんでこんな事ができるかというと、賃金が安いから。東南アジアなら、まだ下手に機械化するよりもたくさん人を雇った方が安いのです。ただ、例えばレジなどは、今ではiPadが1枚あればあとは無料のアプリがあれば充分であるように、機械は加速度的に安くなっており、今後どうなるかは分かりません。