「気分の悪い理不尽な対応」の会社 実例公開、こんなコトが実際に

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社員一人ひとりこそ、会社の看板

   「社長が若く風通しがよい」「当面の目標人物が社長」も危険です。社長はどこまで行って社長ですから、例え若くとも対外的に社長然とした対応をとるのは当たり前のこと。しかし、社長と社長を目標とする社員の年代が近く直接モノが言える『風通しの良い』企業では、社長の振る舞いはそのまま「社員の行動手本」ともなりかねず、それをさらに自分流にアレンジしてしまえば、相手から見ればいたって横柄な対応にもなりかねないのです。

   1990年代のこと、ある若い経営者がアパレル製造で急成長していました。社長は典型的なイケイケタイプで、自前の店舗を急拡大し海外への工場移転も計画。いよいよ上場かという段になって些細な不祥事が起きました。すると、取引先は掌を返したように冷たくなり、銀行も一斉にストップ。結局、同社は危機を脱することができず、大手に身売りしました。

   なぜ皆去っていったのか。取引先も銀行も、社員のマナーの悪さから会社に良いイメージを持っていなかったのです。他行支店長も「やっぱりでしたね」と言いました。些細な不祥事は根底にあった悪いイメージを前面に押し出すこととなり、企業は消滅したのです。

   私が知る勝ち組の発展を続けるベンチャー企業は、社員一人ひとりのビジネス・マナーもしっかりできています。「社長は会社の顔」とはよく聞く言葉ですが、私は「社員一人ひとりこそ、会社の看板」と思います。薄汚れた看板は企業の信用力に暗い影を落とします。

   経営者、特に若い社長の皆さんには、自社を発展させていきたいと思うならまず、日頃から会社の看板を磨くこと。すなわち、社員のビジネス・マナー教育に力を入れるべきと切に思うところです。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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