京都・祇園で2012年4月、軽ワゴン車が暴走して通行人ら7人が死亡、12人が負傷した事故で、車を運転していた男性(当時30歳、死亡)が勤務していた京都市下京区の呉服雑貨店「藍香房」が2016年1月8日付で事業を停止し、自己破産の申請準備に入った。民間信用調査会社の帝国データバンク京都支店が1月12日、発表した。
来店客数の減少や受注減
同社は1987年創業。負債総額は5億7000万円にのぼる見込み。和装離れによる需要の低迷に加えて、事故の影響で来店客数の減少や受注減で資金繰りが悪化し、事業の継続がむずかしいと判断したという。2015年1月期の売上高は約2億円と、02年1月期のピーク時から3分の1以下に減少していた。
事故をめぐっては、男性のてんかんの持病を知りながら運転を続けさせたとして、同社社長が業務上過失致死の疑いで書類送検されたが、不起訴(嫌疑不十分)になった。また、遺族による民事訴訟では、14年2月に会社側と男性の両親に合計で約5200万円の賠償を命じる京都地裁の判決が出た。このほか、15年10月には約4600万円の賠償を求める別の訴訟が起こされている。