加入した際のデメリットとは
一方、デメリットとして、労働組合に加入した場合、組合費がかかり給与から天引きされることが多いようです。また、会社側から目を付けられてしまう恐れもあります。会社側が、組合員を差別したり、活動に介入したりすることは不当労働行為として法律で禁止されていますが、実際には、組合員に対する不当な人事や退職勧奨などの嫌がらせも行われているようです。熱心に組合活動をしていると、同僚から偏った政治的思想の持ち主という色眼鏡で見られて孤立してしまうことも考えられます。
先ほどお話ししたように、労働組合を作ることは憲法で保障された権利ですから、会社が労働組合を作ることを拒否することはできません。もっとも、会社に労働組合がない場合や、新たに労働組合を立ち上げるのが難しい場合には、合同労組に加入することで、会社に対抗していくことができます。
合同労組とは、従業員が所属している企業を問わず、個人単位で加盟できる労働組合をいいます。合同労組は、一般的な企業別の労働組合とは異なり、複数の企業の労働者で構成されています。合同労組のメリットとして、1人でも加入でき、会社の目を気にせず加入できる点が挙げられます。
通常の労働組合は、加入条件を正社員に限っていることが多いですが、合同労組では、正社員のみならず、契約社員・パートタイマー・派遣労働者など幅広く加入対象としている点にも特徴があります。また、通常の労働組合は、従業員の多数の利益を代表して会社側と団体交渉していきますが、合同労組は、労働者個人と会社との間に生じた労働トラブル(解雇・長時間労働・パワハラ・セクハラなど)に関する相談・支援を組合活動の重点としている点に特徴があります。