そもそも商社とメーカーは何が違う?
さて、就活生の中には、志望先を商社にするか、メーカーにするかと頭を悩ませる人も多いようです。両者の違いが、いまひとつピンと来ていないのですね。
小田さん、商社とメーカーは何が違うのでしょうか?
「一番大きな違いは『メーカーは自社製品を売る』、商社は『他社が作った製品を売る』。ここが違いです」
まあ、そうですね。
「メーカーの人間だったら『競合のA社の製品の方がウチの製品より優れているんだよなぁ...』と思っていても、自社の製品を売るために頑張らなくてはなりません。商社は、良い製品を作るメーカーから仕入れて売るコトができますから、身軽です」
そうなると、メーカーよりは商社の方がいい、ということでしょうか?
「そうとも言い切れません。市場価値の高い商品を持つメーカーは、営業で優位に立てます。対して商社は好きなものを売れるかというと、メーカーが売ってくれなければ仕入れができないため『自社製品を持たないこと』が弱みにもなります。例えばあるお客さんに売りたい商品が、別の商社を通してそのお客さんにすでに売られていたら、当然その商品のメーカーは仕入れをさせてくれません」
どちらも一長一短ということですね。市場価値の高い商品も、未来永劫、強いかと言えばそんなことはありませんし。
一時は絶好調だったシャープの液晶テレビがその後競争力をなくしたことなどを考えれば、ちょっと怖い部分も。