2016年が始まって、はや1週間。例年は、ついつい三が日をダラダラと過ごし・・・という展開が珍しくないのですが、今年は年初から、生活にカツを入れてくれそうな、キラキラした若者の姿を見ました。
元旦から始まった、朝日新聞の「18歳をあるく」特集です。紙面では、今の18歳(1997年生まれ)たちを分析。日本の経済が停滞した「失われた20年」に育ち、生まれたときからインターネットがあり、思春期からスマホとSNSを駆使。周囲とのコミュニケーションに敏感で、「無難」や「共感」を重んじる若者たち・・・だそうです。そんな中でも、1日付「ひと」欄で紹介されていた「女子高生社長」、椎木里佳さんは光っていました。
「22歳で上場したい」
椎木さん(18)は、2013年頃からネットなどで注目されていた人物です。私も、彼女が起業して話題を集めた当初は、「へぇ~、女子高生社長が出てきたか!」と、感慨深くなったものです。
彼女は、コンテンツ会社を経営する父のアドバイスもあり、15歳で起業。「日本一かわいい女子高生社長」として、各種メディアに紹介されています。現在は、都内の高校に通う傍ら、会社を経営。女子中高生向けの商品開発サポートや、アプリ開発、イベントプロデュースなど、幅広い事業を展開しているそうです。朝日新聞のインタビューでは、「やりたいことが多すぎて、人生1つじゃ足りない」「22歳で上場し、現在の最年少記録(25歳)を塗り替えたい」という、野心あふれるコメントが載っていました。
紙面では、今の18歳を「無難がいちばん」「個性を出すのはイタい」などと分析。そんな「そこそこ」世代だからこそ、椎木さんのような『目立つ』若者が一層注目されるのでしょう。彼女は、毎日ツイッターで自分の名前を検索し、自分への『悪口』にも目を通すとか。私もエゴサーチはしますし、書いた文章への批判も受け止めますが、18歳でそれができたか? というと、無理だったと思います。心が折れそうです。やはり彼女はすごいなぁ、と感服しました。
リトマス試験紙としての「JK社長」
そんな「椎木里佳さん」について、周囲のビジネスパーソンと話すと、実にさまざまな反応が返ってきます。ある30代男性は、「JK(女子高生)ってだけで注目されているだけでは」と、ひとこと。「アプリ制作なんて、今や誰でもできる」時代だからこそ、女子高生というブランドや、外見のかわいらしさ(込み)で注目される椎木さんを批判する意見も、あるのかもしれません。
一方で、「賢そうだし、野望があっていいと思う。若さで注目されるのは当たり前、外見は持って生まれたものだから、そこを批判するのはおかしい」という意見もありました(こちらも男性)。女性の中にも、彼女を批判する人と、そうでない人がいます。
「女子高生社長」を見てどう思うか。その反応は、ビジネスパーソンとしてのリトマス試験紙のようなものではないでしょうか。彼女をバッシングしがちな人たちは、明言こそしないものの、「今の仕事に不満がある」タイプが目立つ気がしました。現状に満足していないと、前向きなパワーで突き進む若者を見て、妬んでしまうのかもしれません。対して、今が充実している人は、若さにあふれる彼女を『応援する余裕』があるのかもしれません。
個人的には、椎木里佳さんのようなエネルギーに満ちた若者を「あたたかく見守ろう」と、「アラサーの余裕」を見せたい自分にも、気づいてしまったのですが・・・まだまだ、若者には負けないぞ。(北条かや)