部下は上司の背を見て育つ
Jさんは、このペーパーを経営者、管理者向けに解釈しなおし、自ら社長に話したという「人を育てる」ポイントを書き記した以下のメモ書きを見せて、私に説明してくれました。
1:部下を正しく「育てる」ためには、何事も言葉でハッキリ伝えること。理由も明確にせず、ただ怒ったり口もきかずに処罰だけしたりするのは、ダメ管理者、ダメ経営者。上手な言葉の使い方は「褒める」を積極的に活用すること。実際の事例を持ってより具体的に褒めることで、人は正しく育つもの。さらに、言葉だけでは限界があるので、「2」以下に記す「見て学ぶ」「体験して学ぶ」ことと併せて適切な言葉で説明することで、部下はより正しい理解が進み大きく育つことになる。
2:「人を育てる」上において、「見て学ばされる」ことは大変有効である。経営者、管理者はまず手本を示すこと。見せることに勝る教育はない。また、『部下は上司の背を見て育つ』の格言通り、経営者や上司がだらけていれば部下もだらける。経営者、管理者は常に下から見られ、注目される存在であるとの意識をもって、襟を正した行動をして欲しい。
3:仕事における多少の冒険は常に必要。部下からの発案や、提案をその場で言葉だけでつぶしてはならない。まずはやらせてみること。やらせてみて、失敗から学ばせることも多いにある。部下の挑戦を見守りつつ、危なくなったら注意する、方向転換させる、ストップさせる、それが経営者、管理者の役割。部下の失敗を恐れて、部下に任せられず自分でばかりやることを繰り返していては、部下も組織も育たない。