国会議員は育休取ってもいい ただし、一つだけ条件アリ

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流動的な労働市場を作るイバラの道を

   少なくとも政権はやることはやっている、悪いのは強欲な経営者や腰抜けの労組だ的な論調を、筆者自身しばしば耳にする。恐らくは、今回裏で絵を描いている人も、同じ構図を狙っているのではないか。自民党は開かれたオープンな党だ、悪いのは同じように振る舞おうとしない上司や企業だ・・・という具合に、矛先を明後日の方向に反らすことには、とりあえず成功するかもしれない。でもそれは、問題の抜本的な解決にはほとんど何の貢献もしないだろう。

   「そんなことはない、有権者の間で議論を盛り上げておいて、今年から本気出すつもりなんだ」と言うのであれば大いに結構。ならば育休明けには火だるまになる覚悟で、流動的な労働市場を作るイバラの道をまい進していただきたい。筆者自身、微力ながらサポートさせていただく所存だ。以上、筆者が条件付きで応援したいといった「理由その2」である。火付け役の宮崎議員には2016年もさらなるご活躍を期待している。(城繁幸)

<*注1>定年延長や保険料の天引きが増えても企業は人件費総額自体を増やせないので、従業員の手取りが減ることになる。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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