アドラー心理学を不正対策に応用すると? その共通するキーワードとは

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   「アドラー心理学」が注目されている。Amazonで検索すると、子育てから職場のコミュニケーションまで、様々な分野に関連づけた解説本がヒットする。筆者も最近、『アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学』(小倉広著、日経BP社)という本を読んでいる。

   日本アドラー心理学会のウェブサイトによれば、アドラー心理学の理論にはいくつかの特徴があり、その1つに「客観事実よりも、客観事実に対する個人の主観的認知のシステムを重視する」という考え方があるそうだ。

コップに半分の水

主観によって・・・
主観によって・・・

   「個人の主観的認知」について、小倉氏は、有名な「コップの水」の話を引き合いに出して説明している。半分まで水が入っているコップを見て「半分しかない」と思う人と「半分も入っている」と思う人がいるように、客観的には同じ状況でも見る人の主観によって捉え方は大きく変わるということだ。「すべては主観である」という考え方が、アドラー心理学を理解する重要な鍵であると小倉氏は述べている。

   不正リスクについても、心理学的な考察が不可欠である。では、不正リスク分析の定番ともいえるもので、当連載でも何度か紹介した「不正のトライアングル」には、アドラー心理学に通じる要素はあるだろうか?次のクイズで考えてみよう。

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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