「融通の利かない」就活生 採用担当「あ然」の行動様式

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完全さより不完全さ、バス停探しのように

   就活にしろ、その後の社会人生活にしろ、100%満足する、ということはまずありません。

   しかも、予定はどんどん重なっていきます。優先すべき予定が同時に重なる、ということも珍しくないのです。

   そのとき、どちらを優先するか。あるいは、どのように調整するか。その人の手腕が問われます。

   バスに例えれば、社会は常に直行便だけではありません。近くを通るバス、目的地まで行くけど本数の少ないバスなど様々です。目的地に行くバスがなくても、乗り継いで行く。あるいは、目的地近くの便に乗って、そこから歩いていく。様々な手段があるはず。

   就活イベントと学生生活の調整も同じです。

   この間、私が主催メンバーだった首都圏就活交流会には、開始時間から大きく遅れて参加した学生がいました。

   彼は事前に遅れてくる旨、伝えてきて、結局、会に参加できたのは1時間程度。話を聞くと、

「近くで別の企業の会社説明会をやっていたので参加した。でも、こちらも面白そうだったので」

   とのこと。空いた時間を無駄にしない、融通を利かせる、という点でこの学生は評価できます。

   融通を利かせる、最優先課題は何か考える、それを普段から意識しているかどうかでも就活では大きな差が出てしまいます。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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