「融通の利かない」就活生 採用担当「あ然」の行動様式

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融通が利かない学生は「ゼミ、部活推し」

   一方、学生はこうした融通が就活中もなかなか利きません。もちろん、社会経験が少ない、という事情もありますが、融通の利かない学生は10年前より今の方が多いのではないでしょうか。

   融通が利かない学生の特徴は「ともかく最初の約束を押し通す」点にあります。

   ゼミがあれば、ゼミを最優先。講義があれば、講義を最優先。部活があれば部活を、アルバイトがあればアルバイトを、それぞれ最優先します。

   最初の約束を守ろうとするのは、いいことです。それに大学生であれば大学の勉強が最優先です。

   しかし、次のケースはどうでしょうか。

   ●ゼミ

   学生A「ゼミ論文の中間発表日。ゼミ教員だけでなく、他のゼミ教員やOBも来て、色々とツッコまれるのが恒例」

   学生B「ゼミ合宿の打ち合わせ日。買い出し係などを決める」

   ●部活

   学生A「大会前の全体練習最終日。練習試合をして連携などを確認する」

   学生B「通常練習の日でランニングなどをするだけ」

   ●アルバイト

   学生A「年に2回のセールの日。アルバイトが一番出てくる日で、本部からも応援の社員が来るほど忙しい」

   学生B「通常のシフト日。シフトの代替要員を探そうと思えば探せる」

   いかがでしょうか。それぞれ、学生Aは、就活よりも本来の予定を優先した方が良さそうです。一方、学生Bは、就活に比べて優先しなければならないかどうか、疑問の出るところです。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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