結論の出ない会議、形式だけの報告資料づくりなど、「これってムダだよな~」と感じる職場の慣例は多い。そんな行為の数々が、CIAの「スパイマニュアル」によると、「本当に組織をダメにする」らしいことが、あるブログで暴露され、話題になっている。
ブログは、シリコンバレー在住で、起業や投資などを手掛ける渡辺千賀氏が書いたもの(「CIAのスパイマニュアルに学ぶ『会社をダメにする11の行動様式』」2015年11月4日)。渡辺氏は同記事で、第2次世界大戦時のCIAの秘密資料だった「Simple Sabotage Field Manual」を意訳している。2008年に公開されたという、その内容は、「敵国内のスパイが、組織の生産性を落とすためにどのような『サボり』ができるか」、つまり『サボりのマニュアル』。内容を見て、「これ、うちの職場じゃん!」と思った人も、結構いるようで・・・。
「重要な業務より会議を優先」「なるべくペーパーワークを増やす」
CIAの「サボタージュマニュアル」は、たとえばこうだ。渡辺氏の意訳によると、「前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す」「文書は細かな言葉尻にこだわる」「重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる」・・・。
ほかにも、「重要な業務があっても会議を実施する」「なるべくペーパーワークを増やす」など、「日本企業あるある」ネタが目立つ。「可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上」なんて一文もあった。確かに、これでは迅速な経営判断ができなくなりそうだ。こんなマニュアルが、第2次大戦中に存在したなんて、ちょっと怖い。
「うちの会社にも、スパイがいるとしか・・・」
ツイッターでは、話題のブログ記事を読んで、自分の職場と照らし合わせた人も多いようだ。「ザ・日本企業。 例外なく当てはまりすぎ(笑)」とか、「大企業では割と、当たり前の上司の行動だ・・・」と、ため息をつくようなツイートが多く見つかった。
「創造性に乏しい人、頭の固い人は全部敵国のスパイ(笑)。これでは、社員が皆スパイということになるだろう」と、絶望的(?)な意見を述べる人も。
「『くっ、CIAの魔の手がわが社にも!』・・・じゃなくて、組織の駄目になり方って結局どこの国も同じなのだねぇ(苦笑)」と感慨深げな人もいれば、「うちの会社にも、スパイがいるとしか思えないw」と、やや自虐的につぶやくビジネスパーソンもいた。もしかすると、そんな人がいちばん、業務中に「サボタージュ」していたりして・・・!?(KH)