人口減少や少子高齢化、若者のお酒離れなどの要因で、市場の縮小が止まらないビール業界にあって、これまで市場をリードしてきたキリンビールの布施孝之社長とアサヒビールの小路明善社長の、異例の対談が実現した。ダイヤモンド・オンラインが2015年12月24日、対談内容を配信した。
対談で「シェア争いでなく、市場全体の伸びを」
ビール市場は1994年の714万キロリットル(課税出荷数量ベース)をピークに、2014年には541万キロリットル(25%減)と、ビール大手1社分の販売量が消失してしまった。
キリンビールの布施社長が、「(この20年)消費者の需要を喚起できていないということ」と振り返ると、アサヒビールの小路社長は「ここまで市場が小さくなるとシェア争いという個社の戦略ではなく、どうすれば市場全体が伸びるかを真剣に考えないと共倒れになりかねません」と話した。
布施社長はさらに、「若者の酒離れといわれて久しいですが、われわれは20代・30代の心に刺さるような商品を生み出せてきたでしょうか。反省する必要があると思いますね」と語っている。