人間に残る複雑な仕事
例えば、あるコンビニの店舗で、ぎりぎりの利益しか出ていないとすれば、時給を上げるのはかなり難しくなるでしょう。そうすると、やり方を変えなくてはなりません。
例えば、基本的にはレジは無人化して、店舗にいる人の数は1人で、モノを並べたり、宅急便の受け付けをしたりといった、機械ができないようなことをやるだけになるでしょう。防犯のために、本部で複数店舗の安全を確認する人などがいて、常にモニタリングをしながら、何かあったら緊急出動するような仕組みができるかもしれません。
昭和の働き方と2015年の働き方を比べると、一番変わったことは、仕事が複雑化していることです。昭和の雑貨屋の業務と、2015年のコンビニバイトの業務を比べたら、コンビニバイトの方が10倍以上複雑でしょう。
時給が上がったり、ペッパー君がもうちょっと複雑なことができるようになったりすると、人間がやらなきゃいけない仕事はもっと複雑なものだけが残り、ついていけない人がたくさん出てきそうです。
だから、スキルをあげよう!というのがひとつの解なのですが、どうしてもついていけない人は出てきてしまう。そういう人をどうやって救っていくべきなのか?というのが今後の政府の課題になると思います。簡単には答えが出せない、難しい問題です。(森山たつを)