「先輩のヒミツ」を会社が調査 「知っていて答えない」と処分されますか?

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弁護士解説 調査に協力する義務が生じる場合もあるが...

   普段お世話になっている仲の良い先輩であれば、多少のことには目をつぶってかばってあげたくなりますよね。さて、まずは会社の上司から聞かれたことに関して、どんなことでも正直に答えなければいけないのか、という点について説明していきましょう。

   会社の従業員は、会社に対し、労働力の提供義務を負うとともに、これに付随して企業秩序遵守義務というものを負います。そのため、会社から他の従業員の秩序違反に関して事情聴取を求められた場合に、調査に協力する義務が従業員に生じる場合があります。

   ただ、もちろん全ての場合において正直に申告しなければならないわけではありません。

   具体的には、調査対象である違反行為がどのような性質、内容のものであるのか、労働者がこれを知るためにどんな機会があったのか、などを総合的に判断して調査に協力する義務があるか否かが決まります。

   今回のご相談についてですが、仕事中の居眠りが直ちに会社の就業規則に違反することは考えがたいです。そうだとすると、会社が行う調査に協力する義務も生じません。

   仮に先輩の居眠りが就業規則に違反する様なものだとしても、居眠りをしたことで会社に重大な損害を及ぼすようなものでない限り、調査に協力する義務は生じないでしょう。

   また、内緒にしていたことで連帯責任を取らされることがあるのか、という点について説明していきます。今回のご相談の連帯責任とは、会社から減給という懲戒処分が下るのかどうかということになりますね。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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