上司は「お前、いくらなんでもあそこは無理だろう」
その日も飛び込みをやっても連戦連敗で夕方になり、上司はAさんに「そろそろ会社に戻るか」と言ったその時、Aさんは「あそこにちょっと行ってきますよ」と車を降りようとしました。Aさんが飛び込み営業に行こうとしたのは、行政が管理している公共施設でした。
さすがに上司も「お前、いくらなんでもあそこは無理だろう。やめておけよ」と言ったそうですが、「せっかくですからちょっと行ってきますよ」と車を降りていきました。
上司は、断られてすぐに戻ってくるだろうと思っていましたが、10分経っても戻ってきません。30分が経過したときにAさんが笑顔で「今度、先方の課長が話を聞いてくれることになりましたよ!」と嬉しそうに報告してきました。
そして、後日の打ち合わせで見事契約が取れたそうです。今でも取引が続いていて、Aさんの飛び込みで得たこの仕事は、社内でも伝説となっているようです。
Aさんはその後、飛び込みによって新規の顧客を獲得していき、売上を伸ばして社内でも優秀な営業マンとして成長しています。
Aさんの上司に話を聞く機会がありました。Aさんは、試行錯誤しながら自分で営業資料を作り、飛び込み営業を続けていたそうです。
上司が「あそこは難しいんじゃないか」と言っても、「せっかくだから行ってきますよ」と自ら縁もゆかりもない会社に飛び込んでいったのです。