「探査機あかつきの成功」が「夢」を刺激する

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   JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、金星探査機「あかつき」の金星の軌道投入に成功。5年前(2010年)、主エンジンの故障で、軌道投入に失敗ましたが、残る小型エンジンの噴射に成功し、金星から最短で400キロの周回軌道に入りました。日本の探査機が地球以外の惑星を回る軌道に入ったのは今回が初めて。また、機体を損傷しながらも運用に成功したのは、小惑星探査機「はやぶさ」以来で、JAXAは「快挙」だとコメント。この偉業に対して

『あかつき、ついに軌道に入りましたね。 おめでとうございます!』

と喜びの声があちこちで書き込まれていますね。「あかつき」は今後2年間、赤外線カメラなどで金星の大気の観測などを行う予定とのこと。ついに日本でも宇宙に関する仕事が憧れ=夢として身近になった出来事ではないでしょうか?

どうしたら成長しようと思えるようになるのか?

宇宙に関する仕事を・・・
宇宙に関する仕事を・・・

   これからは、

「将来の夢は宇宙に関る仕事をすることです」

と願う人が増えることでしょう。そんな仕事に関する夢を、みなさんはお持ちでしょうか?

   ある会社の人事部長から聞いた話です。人を育てようと考えても、その人に「成長しよう」という、積極的な気持ちがなければ、なかなか育てることは難しい。では、どうしたら成長しようと思えるようになるのか?それは会社の将来に夢を感じること...とのこと。

   でも、「夢」なんて青臭い言葉に聞こえがちです。「夢があったほうがいいだろうけれど、考える余裕が無い」という本音が聞こえてきそうです。あるいは、自分は身の丈にあった仕事を着々とするだけで、十分ではないか?と考えがちかもしれません。

「仕事を通じてかなえたい夢がある」新入社員の割合

   夢の中身は人によって違います。例えば、ある入社早々の社員は「自分の名前が刻まれた商品開発をしてみたい」というかもしれません。あるいは入社10年目の中堅社員は「海外での仕事を立ち上げてみたい」と現実的な夢を語るかもしれません。実現のための難易度に違いがあるかもしれません。ただ、優劣はありません。その人が、これが自分の夢だと描けば、それは素敵な夢なのです。いずれにしても実現したいが「すぐに」「簡単」には実現できそうもなく、人生にプラスの価値を提供できることであれば、夢と言えるのではないでしょうか?

   誰もが小学生くらいまでは、作文で夢を書いたもの。ちなみに経営者に取材すると、大抵の方は熱く夢を語ってくれます。先日、取材して「カンボジアに学校を建てるのが夢なのだよ」と、嬉しそうに語ってくれた社長の目は子供のように澄んでいた気がしました。

   日本生産性本部が、2015年度の新入社員を対象に実施した意識調査によると、「自分には仕事を通じてかなえたい夢がある」と答えた新入社員の割合は、調査開始以来2番目に低い58.9%でした。経済の低迷や震災、リーマンショックなど将来が不安になる出来事が続いて、夢をもてない環境と思えたからかもしれません。

   でも、最近は「あかつき」のような夢を抱きたくなるような出来事も増えてきています。来年の調査では「夢がある」と答える新入社員が増えることを願いたいですね。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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