「6月解禁」に大賛成 就活と教育実習めぐる意外な本音

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受入側は6月解禁に賛成

   一方、教育実習を受け入れる側、つまり、小中高の教員は、8月であれ、6月であれ、その時期の選考解禁に賛成が多数です。

   というのも、小中高とも、教育実習を受け入れる側からすれば、どうしても教育実習生の受け入れが大変です。それを受け入れるのは、後進の育成が目的です。

   ところが、教育実習参加のみの学生だと、15年卒まではいくら受け入れ側が熱心に動いても、後進の育成はできませんでした。何しろ、民間企業就職に逃げてしまうのですから。

   しかし、16年卒・17年卒のスケジュールだと、教育実習の期間が就活と重複します。それだけ、教員採用試験か民間企業就職か、はっきり選択する学生が増えます(学生からすれば、選択せざるを得ない、というところですが)。教育実習の受け入れ側からすれば、実は、16年卒・17年卒の就活スケジュールは大賛成なのです。

   私も教員養成という点から考えると、新聞等が指摘する「6月解禁だと教育実習に学生が参加できない(から反対)」との論調はそもそも筋違いと思うのです。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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