国土交通省は、全国の鉄道係員に対する2014年度の暴力行為があわせて887件あったと、2015年12月9日に発表した。13年度から35件増えた。発生件数は932件だった12年度よりは減っている。
6割が「飲酒」していた
地域ごとの発生件数で一番多かったのは、東京都の304件で全体の34%を占めた。神奈川県が103件、大阪府が75件と続く。暴力行為をした人の62%の546件が飲酒をしていた。「不明」も20%あった。
主な事例としては、走行中の列車内で乗客同士がもめていたため、駅到着後に駅員が仲裁に入った際に眉間を殴打されたり、終電車の車内で寝ていた乗客をホームに誘導した際に、駅員の左手を引っ掻き出血させたうえ、頭突きをするなどの暴行をふるわれたりした。また、特急電車で指定座席と異なる座席に座っている乗客に声をかけたところ、突然激高されて殴られたりした。加害者には高齢者が少なくなかった。
国交省は鉄道の安全確保などに影響を与える恐れがあるため、注意を呼びかけている。