経団連が、「2016年度の就活は6月1日に解禁」することを正式に発表しました(2015年12月7日)。
そもそも解禁に何の意味があるのかとか、人を雇うのになんで期日決められてるんだとか、外資系なんかは20年前から解禁日とか気にしてないとか、いろいろありますが、来年就活をする学生にとっては死活問題です。
現在、多くの大学生と会う事業をしているのですが、彼らの関心事はなによりも「就活」です。その話をしていると、面接で話を「盛る」ことができるから大丈夫ですよね?みたいな事を言う人がいます。
私は、就活の面接官をやったこともありますし、大学生と話す回数も多いです。その経験から言って、「上記の様なことを言っている人は、だいたい駄目」と断言できます。
駄目な理由は簡単です。「話がつまらないから」。
いろいろな経験をしている人であれば・・・
人生経験も読書量も少ない作者が書いた漫画や小説の舞台が、学校かゲームの世界ばっかりになるように、経験が少ない人が「盛った」話は、いつも同じような内容になります。
そして、1日に5人も10人も面接していると、下手するとほぼ同じ内容を1日に3回とか聞かされることになります。
そうすると面接官は、「そうなんだ。なるほどねー」とにこにこしながら、心の中で「嘘でもいいからもっと面白い話をしてくれよ」思ってしまうわけです。
いろいろな経験をしている人であれば面白い「盛った」話をしてくれたり、面接官が聞きたいようなことを「盛って」話してくれたりするのですが、「面接で話を『盛る』ことができるから大丈夫ですよね?」みたいなことを聞いちゃう人は、残念ながらその才能はあまりないので、「盛って」も面接官の興味をひかないのです。
ちなみに、カンボジアで面接をすると、上記とは全く別の次元で恐怖のどん底に突き落とされます。
研修プログラム・サムライカレープロジェクトでは、大学生の研修生に「カレー屋のスタッフを雇え」というミッションが下ることもあるのですが、そこでの面接で、想定外の事が起こり続けるのです。
下手に話を「盛る」と逆効果
例えば「英語が話せる人材が欲しい」ということで、「English Speaker」の店員募集を求人用の有料掲示板に掲示すると、1日で20通くらいの英文履歴書が送られてきます(飲食店の人材採用難の日本とは大違いですね)。
その英文履歴書をきちんと読んで、10人くらいを選んで面接するのですが、挨拶のあと「Please introduce yourself (では自己紹介をお願いします)」といった瞬間、フリーズしてしまう人が多数出てきます。どうやら、彼らは英語がまったくわからないようです。
じゃあ、この理路整然とキッチリ書かれた英文履歴書は誰が書いたんだよ!と思うのですが、後日、研修生が印刷屋に行った時に、印刷屋のオペレーターが他人の英文履歴書を代筆している所を見て、大いに納得することになるのです。
そんな状況下でも、それでも英語が話せる人にこんな質問をして、こんな答えが返ってきて、ここを評価して雇ってみたら、こんな働き方をしてくれました――みたいな話をすると、面接官は喜びます。
話としても面白いですし、面接の中で質問した内容や、評価の基準などからあなたがどんな考え方をする人なのかを垣間見ることができるので、評価することが可能になるからです。
つまり、天才的に話を作るのが上手い人や、空気を読むのが上手い人以外は、下手に話を「盛る」と逆効果になります。だから、自分で体験したことをそのまま話すのがいいのです。
そして、大学生が学生時代にやっておくことは、人に話して面白いと思われるような体験をたくさんしておくことです。その経験が、ビジネスにつながっていればより良いです。
下手に小細工を弄するよりも、自分で身体を動かして、経験を積む。就活が心配な大学生は、思い切っていろんなことにトライしてみて下さい。(森山たつを)
就活先に、海外で働ける事をアピールしたい方は、サムライカレープロジェクトをご検討ください。12/12(土)、19(土)に無料説明会を行います。