ホンダは国内の従業員約4万人の定年を、現状の60歳から65歳に引き上げる。2015年11月30日、発表した。65歳への定年延長は自動車大手では初めて。労働組合とは大筋で合意しており、2016年度中の導入をめざす。現状の再雇用制度よりも給与の削減幅を緩やかにしてシニア社員の労働意欲を高める。
定年時の平均8割程度の給与水準を保証
現行、ホンダでは60歳で定年を迎えた後、定年時の50%の給与水準で最長5年間、再雇用制度を設けていて、利用者は全体の5~6割程度という。
新制度では定年時の平均8割程度の給与水準を保証。海外駐在なども可能にして、職場の選択肢を増やす。半面、60歳以上の給料が高くなる分は退職金制度の改定や出張日当の廃止などを通じて捻出し、全体の人件費が増えないようにする。
今後、少子高齢化で労働人口が減るうえ、厚生年金の支給時期も2025年までに65歳へ引き上げられる。社員にとっては定年してから年金の支給開始までの空白期間ができないため、老後の生活の質を維持できるなどのメリットが見込める。