社会に出て間もないと仕事のペース配分がつかめず、忙しい時はついつい休憩を取るのを忘れ、あるいはあえて取らずに仕事を終わらせようとしてしまう新人は少なからずいるだろう。
そんな姿を見せても、「頑張っている」との先輩社員からの高評価にはつながらないかもしれない。ネット上には、「休憩しない新人にほとほと困っている」という相談が寄せられている。
昼食をすすめても「ダイエット中なので!」
女性向け掲示板サイト「GIRL'S TALK」に、「新人さんよ!!休憩時間は休憩して良いんだよー!!!!」との先輩社員の叫びが投稿されている(2015年11月13日)。
投稿者の職場に最近入ってきたという新人。とても真面目で、仕事を早く覚えられるよう、わからないことは社長にも質問し、昼食中でも先輩社員にたずねてくる努力家だという。
「でも、頑張りすぎてて、昼休みの時間になっても作業してる。毎日ちょっとずつ食堂に上がってくる時間が遅くなってるし、食べたら直ぐ作業場に戻って、仕事を開始してる。本契約貰う前に体壊しそうで心配です」
と、あまりの頑張りぶりに心配になってしまっているらしい。
この日はついに昼食も取らず、周りの社員から「御飯は?」と聞かれても「大丈夫です!」、「食べないと持たないから、後ちょっと時間あるし隣の給湯室で食べたら」と言われても「ダイエット中なので、大丈夫です!」と固辞したそう。
「ウチは体力勝負の体資本の職場だから、食べないとやっていけない。今は、良いけどその内、もっと力と持久力が必要な仕事の研修も始まるから、同じ事してたら持たないよ・・・」
と、正直困惑しているようだ。
休憩しないと会社側がかわいそう
コメント欄には、
「休憩行かないのを頑張りやと言う雰囲気にするのではなく、休憩時間に休憩を行かないのは職務放棄と一緒と言う雰囲気にするのがその人には合ってる気がします」
「私はそういう人には『休憩取るのも仕事のひとつだよ~』って言ってます。これで察せる人は察するよ 言ってもダメなら『頑張るのはありがたいんだけど、法律違反になるから休んで~(苦笑)』それでもダメなら『他の人が休憩取りにくくなるから休憩してね。』 」
「そーゆータイプの人には、『あなたがご飯を食べないと、私が心配になって、仕事に手がつかないから、少しでも食べてくれる?ニコッ』というと効きますよ。他人に迷惑をかけたくないと思っている人なのでしょうから、それを逆手にとってみてください」
など、新人に休憩を取らせるためのアドバイスが寄せられている。
「山口正博 社会保険労務士事務所」(大阪・大東市)のサイトでは、社労士の視点から「休憩はいらないと言う人をどうするか」の対処法が紹介されている。
労働基準法第34条の
「使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」
は、会社にとっての義務で、社員が自分で休憩を取らなかったとしても「会社が社員に休憩を取らせていない」と判断されてしまう。
「会社に非があるわけではないけれども、会社に非があると判断されるわけです。これでは会社側がかわいそうです」として、「どうしてもというときは『懲戒処分にするよ』と言ってでも休憩をしてもらわないといけません」と、社員がちゃんと休憩を取ることの必要さを訴えている。(MM)