「社内人脈」は本当にプラスか 「疎ましい」存在になる可能性も

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最後に支持されるタイプは?

   社外から本当に重要な仕事を持ってきて、社内の会議に通すことになった時、たとえ自分に社内人脈が無かったとしても、社内情報(人脈含む)に詳しい人を知っていれば十分なのです。

   世の中は長いものに巻かれる傾向があります。社内人脈は広くても仕事ができない人と、社内人脈は狭いが仕事のできる人がいたとしたら、最後はどちらが支持されるのか?仕事をスムーズに行なうために、社内人脈を活用することはとても重要ですが、そこに対してむやみにエネルギーをかけすぎてしまうことは、時間がもったいないと言わざるを得ません。

   また、私がさまざまな人に会った上で実感しているのは、本社にいて「役員をよく知っている」とか「社内の政治をよく知っている」「派閥に詳しい」という人は、経営陣から見ると「知りすぎた存在」と言えます。そういう人は、ある一定の役目が終わると、「あとは大阪に行って勉強してこい」などと、どこかに飛ばされるのが常です。このように、社内人脈に精通しすぎてしまうと、時と場合によっては「面倒くさい」「疎ましい」「遠ざけたい」存在になる可能性も大。

   歴史を振り返ってみても、将軍や大名の下で知り尽くした存在は、どうなったでしょうか?石田三成は豊臣秀吉が見いだした「優秀」な人物でしたが、あまりにも豊臣政権の動かし方を知りすぎていた。秀吉亡き後、天下取りにおいて対立相手だった徳川家康に滅ぼされました。知りすぎた人というのは、そういったリスクを背負っているのです。知らなくていいとは言いませんが、知りすぎていたり、知ることにエネルギーをかけすぎてしまったりすると、結果としてプラスにならないでしょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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