「崩壊する職場。居酒屋だけが本音を語れる場でいいのか?」と思いたくなるほど、「今、職場が崩れていく・・・」と多くのメンタルヘルス専門家は危機感をもち、警笛を鳴らし続けている。
現在、「うつ病」は大きく増加し、推定であるが、メンタル不調を含めると500万人位の方々が苦しんでいるといわれる。なんと東京都の人口の半分近くが「うつ病」で苦しんでいることになる。異常な数だ。
酒席の話題に「うつ病」
働く人々の、精神障害による労働災害も労災請求件数は2014年1456件で10年前の2.2倍、認定件数は497件で同じく3倍以上に激増中だ。過去最多である。パワハラや労働相談も最悪状態だ。
赤いネオンが闇に揺れる駅前のヤキトリ屋台の煙とにおいが、1日のビジネスパーソンの「心の疲れ」を癒すはずだった。しかし、近頃見かける居酒屋のビジネスパーソンたちは元気がない。そこでの会話は、「うつ病」の話が少なくない。例えば「●●君がうつ病らしい」とぽつりと言う。聴いていたもう1人も「▲▲部長も、様子がおかしい」とこたえる。こんな話が酒席の話題にのぼっているのだ。
会社にとって大事な社員が「うつ病」になっていく。何とかしないといけない。
行政も、会社も、個人もこの状況に手をこまねいているわけではない。良くしようと努力している。しかし、なかなか効果としては見られない。国も黙っていない。2014年6月に労働安全衛生法が改正され、50人以上の従業員の企業で「ストレスチェック」が義務化された。15年12月1日より施行される。
だが、これもうまく活用しないと藪蛇だ。