自身の就職活動を漢字一文字で表すと――2016年卒の(大学・院の)就活生に聞いたある調査では、「楽」が1位だった。
2位の「苦」を抑え、3年連続の首位となった「楽」の漢字だが、トップ10の他の文字をながめると、必ずしも「楽」派の学生が主流とは言えない状況も浮き彫りになってくる。
「苦」が2位
漢字の調査結果は、就職・転職情報サービスを行うマイナビ(東京・千代田区)が15年11月12日、発表した。学生就職(ネット)モニター調査(10月時、有効回答1365人)の一環で、1位の「楽」(7.5%)は、総合ランキングだけでなく、文系男・女、理系男・女の個別ランキングでも全て首位だった。
2位の「苦」(4.8%)は、3年連続で「楽」に苦杯をなめ(?)、僅差で次点に甘んじている。3年前の13年卒調査では、「苦」が1位、「楽」が2位だった。
こうした結果は、昨今の就活状況で指摘される「売り手市場」化を反映しているようにも見えるが、3位以下のトップ10を見渡すと、別の印象も浮かんでくる。
今回調査の3位は「迷」。強いて、「楽派」か「苦派」かに分類すれば、「苦派」の方の漢字と言えそうだ。同様に、4位の「疲」、5位「忙」、6位「長」、同率7位「悩」、同率9位「辛」と同「耐」も、どちらかと言えば「苦派」のようだ。
かつては「笑」がトップ10入り
一方、明らかに「楽派」とみられるのは、同率7位の「早」ぐらいで、同率9位の「縁」は、どちらとも言えない中間派といったところか(同率9位が3文字あり、「トップ10」に11文字入っている)。
こうしてみると、まだまだ「苦」派の学生が多いのかもしれない。9年前の07年卒調査以来、「笑」(同率7位)の漢字は、総合トップ10に入っていない。「楽」や「笑」、「早」といった文字だけが上位をほぼ占める日、は来るのだろうか。
次の17年卒の面接解禁スケジュールをめぐっては、(4年生4月から後ろ倒しした)8月から、6月へと前倒しする方針を経団連が示し、「たった1年での方針変更」をめぐり混乱が広がっている。