大学生の採用選考の解禁日問題が揺れに揺れている。今年(2015年)から大手企業の採用選考は従来の学部4年4月から4か月遅い8月となっていたが、日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長が会見(15年11月9日)で、16年からは6月解禁とする方針を発表し、2年連続で解禁時期が変更になる見込みとなった。
2か月前倒しになりそうな就活解禁だが、大学側の多くは従来の「4月解禁」が適当と思っているらしい。学生の間ではまた違った意見が出ていて、企業、大学、学生でかなり考えが食い違う問題となっている。
学生の間でも意見割れる
日本経済新聞社は国公私立154大学の学長(理事長)に、採用選考解禁時期について質問。57.8%が「大学4年次の4月(昨年までと同様)が適当」と回答した。「同5~7月」は9.7%、「同8月(今年と同じ)」は8.4%だった(15年11月1日付朝刊)。
経団連は6月で調整、大学側の過半数は4月希望ということだが、当事者の学生の意見はどうだろうか。
日経記事に寄せられたツイートを見てみると、
「もうめちゃくちゃやん、やめちくり」
とやはり困惑している声を筆頭に、
「理系学部生が就活から大学院進学に切り替えて行くのには、入試対策でも研究計画変更でも6月解禁ですら遅い」
「ぶっちゃけ、3年の9月から3年の3月までにしてほしい」
と早い解禁を求める意見、
「いや8月妥当」
と現行でよしとする意見に加え、
「わすのような単位に追われている学生様からすれば、長期休暇中のみに絞ってほしいわ」
という声もあった。
なお会見では、現在の大学2年生らが対象となる再来年の採用活動の解禁時期については、また改めて議論するとも語られていた。解禁時期のゴタゴタから「新卒一括採用をやめるべき」との声も多く上がっているが、こうも解禁時期が定まらないと、今後ますますその論調は高まってくるかもしれない。(MM)