いい新商品ができた! そんな時に待っている落とし穴

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なぜ、こんな空振りをしてしまったのか?

   話を聞いたときに、客層を聞いていなかったことはもちろんですが、冷静に考えれば日本人が3000-4000人しか住んでいないカンボジアで4000人も盆踊り大会に日本人が来るわけがありません。

   この時点で、お客さんのほとんどがカンボジア人であると気が付かなければなりませんでした。

   そして、色々な客層に対応できるように、カンボジア人が大好きなテリヤキチキンなんかも用意していれば、もっと善戦できていたはずです。

   実際、今年3月の同様のイベントの時には「周りは日本食でくるから、うちは半分はカンボジア料理を出そう」といってカンボジア風チャーハンや焼きそばを出すことで成功したという体験もあるのです。

   なぜ、こんな空振りをしてしまったのか?

   新メニュー、バターチキンカレーが予想以上に美味しくできたからです。

   このカレーを一人でも多くの人に食べて欲しい。200食のカレーを当日準備して、運搬するためには事前の準備とシミュレーションが必要だ!とその準備にかかりきりになってしまったため、顧客の事などをすっかり忘れてしまったのです。

   新カレーへの思いが、この様な冷静な判断を忘れさせてしまった大空振り。

   マーケティングの大切さと、商品に惚れることの怖さを学ばせていただきました。

   祭り気分でテンションが上がっているときこそ、冷静にならなくてはならない。

   サムライカレーに参加している研修生のみんなにも、こんな事を学んでもらえたと思います。是非、社会に出てからは同じ失敗を繰り返さないようにして欲しいと強く思っています。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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