「夜の仕事」の女性は、どんな部屋に住んでいるの? 不動産関係者に直撃

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   先日、都心の不動産会社に勤める知人男性(Kさん、29歳)と話す機会がありました。拙著『キャバ嬢の社会学』も読んでくれたようで、「夜職に従事する女性の事情」には、かなり興味があるとか・・・。

   そこで今回は、Kさんにズバリ、「キャバ嬢のお部屋探しって、どんな感じなの?」と、聞いてきました。夜の仕事ならではの『苦労』もあるようで・・・。

厳しい「審査が通る確率」

部屋探しには・・・
部屋探しには・・・

   筆者は、夜の仕事に従事する女性をターゲットにした雑誌『小悪魔ageha』が好きで、よく読んでいます。中でも心惹かれるのは、「あの子のお部屋、大公開!」という特集。キャバ嬢たちが、都心の3LDK高層マンションに住んでいるかと思えば、慎ましいワンルームを「キティちゃんグッズ」で埋め尽くしていたりして、結構、面白いのです。地方から上京してきたキャバ嬢が多いためか、1人暮らし率は高い印象。「正社員」ではない彼女たちは、一体どうやって部屋を探すのでしょう。

   賃貸不動産を紹介する会社に勤めて6年目のKさんいわく、「お水系の女性が、1人で部屋を借りたいと言っても、大家さんのOKが出ることはほとんどない」とのこと。うーん、やはり難しいのか・・・。

   「お水系の方を、低く見ている大家さんもいるので、審査が通る確率はほぼゼロですね。ただ、『ダメでした』とお伝えしても、納得してくれないケースも多いんです。『私はこれだけ稼いでいるのに、どうして通らないんですか?』って。ホストの方も含めてですけど、いわゆる『常識』がない方も、中にはいらっしゃいます。お金さえあれば部屋が借りられると思っちゃってる、というか・・・僕が勤める店舗は、歌舞伎町に近いし、お水系の女性は、こちらもすぐにそれと分かるから、対応は慣れましたけどね」(Kさん)

   では、審査が通らなかった場合、キャバ嬢たちは、どんな部屋に住むことになるのでしょう。

お店側が世話するケースも

   「うちの不動産会社で断られても、諦めずに次の店舗に行かれる方が多いです」と、Kさんは言います。夜の仕事で、それなりに高収入を得ている女性の中には、「お金さえあれば、部屋は借りられるはず」と、「希望を捨てない」人もいるのだとか。プライドもあるでしょうし、なんとなく気持ちは分かります。

   しかし、多くの大家さんは、お水の方と昼職の方を比べて、生活時間帯の違いや「対人関係のトラブル」、家賃の滞納リスクなどが、総合的に高いと判断する傾向にあるそうです。次の不動産会社でも断られて、その次もダメで・・・となると、お水系女子は一体、どうなってしまうのか。

   「僕が見たケースだけですが、結局、『キャバクラを経営する会社』がバックについているマンションに入居される方が多いですね。ただ、その手の物件の管理会社の中には、暴力団関係らしき方がいる場合もあるようなので・・・まあ、夜のお仕事柄、そういう物件に入居するしかない現状も、あるのかも・・・。『大変だよなぁ』と思いながら、接客しています」と、言葉を濁すKさん。もちろん、これはあくまでKさんの見解ですが、一部にはそうした『事情』もあるのかもしれません。

   繁華街で配られている、お水系の求人フリーペーパーには、「保証人不要物件、紹介します!」とか、「完全マンション型の寮つき」などと謳う広告があふれています。歌舞伎町の近くにある不動産会社で、Kさんは今日も、夜の仕事で働く女性たちの「お部屋探し相談」に、乗っている。彼が「もう、だいぶ慣れましたよ」と、繰り返していたのが印象的でした。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
【Twitter】@kaya_hojo
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