劣悪な職場環境に耐えかねた、体調が悪化してしまったなど、次の仕事が見つからないまま退職するケースは少なくないだろう。
当面は仕事を探しながらの生活になるが、収入が大きく減ってしまった状態でいかにやりくりするか。ネット上ではそんな相談が寄せられている。
「時間があるなら節約するより稼げ!」
Q&Aサイト「OKWave」に、「失業中のお金の節約について」の相談が投稿された(2015年10月16日)。
投稿者は現在失業中という39歳男性。正社員求人の面接に行く際の交通費や、普段の生活での「例えば、日曜日、祝日は、出歩かないで家に居る、レジャー、娯楽費は一切使わない、飲み会も、本当に必要かどうか?見極める、食費の節約等」と、いかに節約すればよいかをたずねている。
回答者からは、
「失業中だった頃は、中古バイクを移動手段にしていました。失業がどれだけ続くか見通しがきかないので、1か月を5分割にして1週間の使えるお金を制限していました。当然、飲み会はおろか外食も無し」
「昔は、時間がある分、遠い所は時間をかけて安い交通手段で行き、漫喫で前泊したりしました。普段はお金をかけないよう、インターネットでギャオとかYouTube見たり、釣り、図書館通いなどをして過ごしました」
と、実際に行った節約の方法や、
「質問者様はすでに失業手当の給付対象ではないかもしれませんが、仮にそうだとした場合、週20時間以内であれば正式な就業とはみとめないというハローワークルールがありますよね。だとしたら20時間以内のパートをして少額のお金を稼ぐことはできるわけです」
「節約するくらいなら、株式のデイトレードなどで稼ぐことを考えたほうが手っ取り早くありません?失業中なら、図書館でも、証券会社でも、調べる時間はいくらでもあるんですよね?」
と、「時間があるなら稼ぐべき」というアドバイスも寄せられている。
退職前に手元に準備しておきたい金額は
「PRESIDENT WOMAN Online」では、退職前に準備しておきたい、失業中の生活資金について解説している(14年1月14日)。
退職時から退職後にかけての収入は「退職金」と「失業給付金」だが、退職金は会社によってかなり事情が異なるし、失業給付金は自己都合退職の場合3か月間給付制限され、その後4か月間(勤続10年以上20年未満)もらえる額も決して多くない。さらに健康保険と国民年金を毎月負担し、(減額制度はあるにせよ)住民税も納めなければならない。
退職から失業給付金の支給が終わるまでの約8か月間無職で生活するとなると、少なくとも8か月間に必要な生活費と社会保険料、住民税をあわせた額から失業給付金を引いた額を退職前に手元に準備しておく必要がある。記事で紹介されているケースでは、約160万円となっている。
失業中に一切の娯楽を断ってはストレスがたまるだろうし、食費を極限まで切り詰めても健康面で心配だ。収入が激減してもゆとりある生活ができるよう、普段から計画的な出費と貯金が必要なようだ。(MM)