最近は、シリコンバレーからの人と会うことが多い。
彼らは、日本はお気に入りで、大満足して帰っていく。というのも、安いからだ。
先日は、ランチミーティングをした。丸の内のいわゆるちょっと高級ランチゾーンのお店にいった。最低の値段が1500円~、といった感じのレストランだ。
日本は、だいたい「半額」
彼はメニューを見るなり、とても安いといって、1900円のセットを頼んだ。我々にとっては、それなりに高いランチだ。
「日本は、素晴らしい。この内装、雰囲気で、ちゃんとしたサービスがついていて、チップもないし、それでいて、15ドルちょっと(1900円のこと)だし」
シリコンバレーでこんな感じだといくらするの?と聞き返してみた。
「そうだな、30ドルは最低でもかかるな。ドリンクやチップは別だし」
だという。
ドリンクと、20%のチップ、8%前後の消費税をくわえると、4500円くらいになると思う。ランチに4500円である。
「もちろん、物価の高さはクレージーだけれどもね。ミーティングのために入ったホテルのスムージーが、なんと23ドルだったんだ」
(同様にチップ税金をいれたら3500円くらいになると思う)
シリコンバレーの物価のあまりの高さには、彼も辟易としているようではあったが、実際そうなのだからしょうがない。そして、日本は、だいたい「半額」という感じの捉え方のようだ。
日本が半額、これは衝撃的だ。
「所得格差」に寂しさも
ちょうどこれは日本人が、タイとか、マレーシアにいって、安い安いといっているのと同じような感覚だといえよう。そりゃ日本人からしてみたら、タイあたりはまだまだ安い。物によって値段は差があるが、概ね半額あたりのゾーンに位置するだろう。
そして、シリコンバレーからみると、日本がその半額ゾーンなのだ。
さすがにこれなら、日本への客は増える。半額なんだから。
と同時に、寂しい物を感じる。ここまで所得格差が開いてしまったのかと。アメリカと日本は、日本人の勝手な頭のなかでは「同等」と捉えていると思う。物価(チップ込)も、製品も、同等レベルだと思っているだろう。
しかし、現実は、日本はアメリカ(特にシリコンバレー)の半額なのである。
シリコンバレーのプログラマ新卒給与の年収相場は、いまや1800万円である。彼らが日本に来たら、さぞかし豪勢に遊べると思うと、みなさんもジェラシーが湧いてくるはずだ。(大石哲之)