詐欺罪の成立が考えられるケース
その他にも、資格職の資格を有していないにもかかわらず、有しているふりをして従事していた場合にも詐欺罪の成立が考えられます。弁護士に依頼したり医師に治療してもらう場合、弁護士や医師が資格を持っていることを前提に、弁護士や医師が専門的知識や技能を持っていると信頼するからこそ、少なくないお金を払ってでも依頼したり治療してもらったりするわけで、弁護士資格や医師免許のない人に依頼したり治療してもらったりする方はいないと思います。そのため、資格を有しないのに有しているふりをして資格職に従事し、その対価としてお金を得ると詐欺罪が成立することになるのです。
上記に対し、無報酬で弁護士や医師の仕事を行う場合、詐欺罪は成立しませんが、この場合でも、各資格職について定めている法律に違反すると考えられます。たとえば、弁護士ではない人が弁護士を名乗って他人の依頼を受けて訴えを提起したりすると、弁護士法74条1項に反し、同法77条の2により罰金100万円以下に処せられることになります。
もちろん会社との関係では、懲戒解雇などの責任をとらされるのは当然ですね。
ポイント2点
●履歴書の内容を偽って作成、提出するだけでは犯罪は成立しないが、内定を受け、実際に勤務し給料をもらうようになった場合、解雇される可能性が有り、詐欺罪が成立する場合もある。
●資格職の資格を偽った場合にも、詐欺罪の成立が考えられ、弁護士の場合は弁護士法に違反する事となり、罰金に処せられる可能性もある。