先日、カンボジアのサッカーリーグのカンボジアンタイガーのホーム最終戦を観戦してきました。
カンボジアンタイガーとは、日本人が経営する、カンボジアプロサッカー1部リーグ(メトフォン・Cリーグ)のチーム。2015年10月、リーグ戦最終戦の劇的な勝利で、優勝決定のプレーオフ出場を決めました。
子供たちが楽しそうに大騒ぎ
そんな、カンボジアンタイガーの試合が行われるプノンペン・ウェスタンスタジアム。私が見に行った試合では、カンボジアンタイガーのチームカラーであるオレンジのシャツを着た孤児院の子供たちをはじめ、数百人の観客が訪れていました。
試合は一進一退の攻防の中、カンボジアンタイガー先制、敵チームの日本人・太田選手のゴールで同点、最後、カンボジアンタイガーのカンボジア人エースストライカーが決めるという熱い展開で、カンボジアンタイガー勝利!あと1勝でプレーオフ進出ということになりました。
昨2014年までのカンボジアプロサッカーリーグは、過半数の試合が4-5万人入るといわれているオリンピックスタジアムで行われており、客席はガラガラ。1日に3試合くらい試合が行われるため、特定のチームのファンも多くなく、ピクニックのようなおおらかな時間がスタジアムを流れていました。
しかし、その1年後。
1000人入れば超満員の小さなウェスタンスタジアムは、カンボジアンタイガーとアウェーチームの応援席が別れており、特にカンボジアンタイガーチームの応援席は、タイガーカラーのオレンジのシャツに身を包んだサポーターが、楽しそうに応援をしています。
チャンスになればタイガーコール、ゴールが決まれば大騒ぎ、そして、決めて選手のコールを行う。こんなことが自然に行われるようになっていました。
私は、スポーツは黙ってじっくり見るのが好きなので歌とかコールとか大嫌いなのですが(よって、メジャーリーグの試合が好き)、子供たちが楽しそうに大騒ぎしているのを見ると、まずはこれなんだろうなと思ってきました。
「スポーツを会場で応援する」という文化を創り上げる
黙って見て楽しめるレベルに達するには、修行が必要です。
今回の試合なんて、ワンプレイごとに選手が倒れて試合が中断する様な試合で、「いい試合」とは言えないかもしれません。でも、応援団の盛り上げにあわせて声を出すことで客席はだらけた雰囲気を感じず、ゴールの興奮、勝利の歓喜を味わうことができました。
そのために、日本人をはじめとしたチームのスタッフが、コールのかけ方を指導したり、音楽をかけて盛り上げたり、ハーフタイムデーマスコットのソンハーくんや、タイガーガールズたちが躍ったりと、お客さんを飽きさせないよう、いろいろな仕掛けを作ってスタジアムを盛り上げています。
今まで、カンボジアには「スポーツを会場で応援する」という文化はほとんどなかったと思います。この会場に来ている観客も、去年までは、こうやってスタジアムに来て、一緒に声援をしながらサッカーを楽しむなんてことをしたことがなかったかもしれません。
まだまだ、小さなチームですが、こうやって、「スポーツを会場で応援する」という文化をほとんどゼロから創りあげているスタッフの皆さんは本当に素晴らしいと思います。
今年、是非プレーオフを制し、来年さらなる飛躍をしてくれることを期待しています。カンボジアンタイガーの試合は、ニコ生などで観戦することもできます!(森山たつを)