在米シングルマザーが実感 「日系企業の方が福利厚生は良い」

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「ヤフーのCEOみたいなケースは、お金がないと無理」

   冒頭の女性は、「ヤフーのCEOみたいなケースは、お金がないと無理」と、明言していました。

「アメリカでは、私みたいなシングルマザーへの(社会的な)差別は感じないですよ。そもそも、離婚している人が多いし、再婚も当たり前だから。ただ、子どもを育てながら育児って、本当に厳しいんです。保育園みたいなものはあるけど、月謝が高すぎて、パートタイマーの私には、ちょっと・・・。メイヤー氏はベビーシッターを雇ったり、色んな人に手伝ってもらったりできるだろうから、別世界ですよね」(聡子さん)

   確かに、アメリカでは、日本より「ベビーシッター制度」が普及しています。日本でいう保育園のような、ナーサリースクールもある。ただ、いずれも価格はそれなりに高額です。そこに、お金をかけられないとなると・・・育児と仕事の両立は、かなり厳しいものになるでしょう。

   聡子さんは、パートタイマーとして働いている間、知人宅に子どもを預けています。「できれば主婦になりたい」とさえ、言っていました。なんだか、日本で働く女性からも聞いたことがあるようなセリフです。

   「アメリカで、子持ちの私が正社員として安定して働き続けることは、厳しいと思う」という聡子さんからすれば、「メイヤーさんは別世界」だそうです。やはり、そうか・・・。先立つものがないと、育児と仕事の両立は難しい。一方、お金や環境に恵まれた立場の女性たちは、両立を叶え、バリバリ仕事をしていく。そんなアメリカは、ある意味「究極の男女平等、競争社会」なのだろうなぁと、複雑な思いで、聡子さんへのSkypeインタビューを終えたのでした。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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