コメ離れを解消する(?)炊飯器 「本当のイノベーション」を考える

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やたらな多機能さは、笑いの種に

   日本の炊飯器といえば、多機能で有名だ。しゃっきり、ふつう、もちもち、釜炊き、蒸らし、とにかくいろんなモードとボタンがついている。そういう方向で機能の充実を図っているのだろうが、ほんとうに必要なのは、5分なり10分でコメがたける機能ではないかとおもう。

   日本の家電のむやみやたらな多機能さは、笑いの種になっているのはご存知のとおりだ。日本のTVのリモコンのボタンの多さは世界一。同じく、炊飯器も、そういう方向性しか見えていないように思える。

   筆者が住んでいるベトナムの炊飯器は、ボタンは一つしかない。ボタンを押すと、だいたい10-15分後に炊けている。超急速だ。

   これを凌ぐような、5分で炊けるような炊飯器を開発したら、それこそイノベーションだと思う。

   家電メーカーは、超釜ふっくら何とか炊きとか、細かすぎて、ユーザーはさっぱりわからないようなところで差別化するのではなく、直球で現代人のニーズに答えてほしい。多機能がイノベーションなのではなく、ライフスタイルのニーズに合致した製品こそ、むしろ本当のイノベーションだろう。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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