やたらな多機能さは、笑いの種に
日本の炊飯器といえば、多機能で有名だ。しゃっきり、ふつう、もちもち、釜炊き、蒸らし、とにかくいろんなモードとボタンがついている。そういう方向で機能の充実を図っているのだろうが、ほんとうに必要なのは、5分なり10分でコメがたける機能ではないかとおもう。
日本の家電のむやみやたらな多機能さは、笑いの種になっているのはご存知のとおりだ。日本のTVのリモコンのボタンの多さは世界一。同じく、炊飯器も、そういう方向性しか見えていないように思える。
筆者が住んでいるベトナムの炊飯器は、ボタンは一つしかない。ボタンを押すと、だいたい10-15分後に炊けている。超急速だ。
これを凌ぐような、5分で炊けるような炊飯器を開発したら、それこそイノベーションだと思う。
家電メーカーは、超釜ふっくら何とか炊きとか、細かすぎて、ユーザーはさっぱりわからないようなところで差別化するのではなく、直球で現代人のニーズに答えてほしい。多機能がイノベーションなのではなく、ライフスタイルのニーズに合致した製品こそ、むしろ本当のイノベーションだろう。(大石哲之)