まだまだはびこっているブラック企業
(3)社名を公表する
本当に悪意ある店や会社なのであれば、証拠をとったうえで社名を公開しよう。
ブラック企業の悪事は「スピード違反」と同じで、
「なんとなく違法とは分かってるけど、みんなやってるし、捕まらないし、万一捕まったとしても罰金払えばいいんでしょ」
などと開き直ってやっているものだ。
日本の労働関係の法律は細かく整えられているほうだが、まだまだブラック企業ははびこっている。ブラックの抑止力として法律が充分機能しないのであれば、社名公開のほうが手っ取り早く有効である。
社名公表によってアルバイトも社員も客も集まらなくなれば、その店や会社は必然的に消滅する。労働市場も資本主義のルールの下で動いているのだ。悪意あるブラック企業には、市場から然るべき報復があるべきなのだ。
今回の事例では、レインズは会見翌日、リリースを発表。「事実関係を精査したうえ、適切に対応して参る所存」などとコメントした。以降も「第4報」(9月16日)まで順次、リリースを公表し、たとえば「第3報」では、「フランチャイズ本部として、加盟企業のコンプライアンスへの更なる意識強化、(略)のための具体的な対策を検討し、再発防止に向けて全力をあげて取り組んでまいる所存」としている。
レインズ側にしてみれば、「あくまで加盟企業がやったこと」と言いたいところだろうが、フランチャイズ本部としては店舗の指導や運営サポートも責務であるから、説明責任は免れないだろう。
ユーザーが安価で食事を愉しめることは有難い限りだが、それが過酷な労働という犠牲の上に成り立っているものであってはいけない。今後の進展を見守りたい。(新田龍)