入社したてで早くも仕事を振られまくりてんやわんや、残業代も出ない、働き詰めでもう辞めたい!――「ブラック企業」が話題になっている今、新入社員がこんな愚痴をこぼしているのはよく聞かれる。
一方、真逆のケースもあるらしい。「入社したはいいが、仕事がなさすぎて辛い」というものだ。前者の人からするとうらやましく感じられるかもしれないが、これがなかなか深刻な悩みのようだ。
少人数の会社、教育係は不在
Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に、「仕事がヒマすぎる」という悩みが投稿されている(2015年8月6日)。
投稿者は22歳男性。ハローワークで求人を紹介され、社員5人の小さな会社でSEとして1週間ほど働いているが、早くも「このまま会社にいても仕方がない」と感じているそう。
入社前の説明で必要な知識、経験等は不問とされていて、面接時にも「一からちゃんと教えます」と言われていたが、入社してみたらみんな忙しそうに働いていて、教育係もいない。今はプログラムを勉強する以外することがなく、周りの社員は外出しがちで聞きたいことも聞けない状況のようだ。
「仕事は朝9時から18時までなのですが、分からないことだらけで先には進めず、でも聞く機会はあまりなく暇な時間が本当に多くて、社内ニートのような状態で辛いです」
と、悩みをこぼしている。
また6月8日にも、他のユーザーから
「社会人2年目 仕事が暇で苦痛です。憂鬱です。座ってるだけ...仕事ってこんなもんなんですかね・・・」
との投稿が。
コメント欄にも、
「私も2年目、暇ですね。まわりは忙しく動いているのに。1年目は今よりさらに暇で逆に過酷でした。(中略)いまもやることがなくなったらどうしよう・・・という不安がいつもあります」
「長く感じますね。時計が止まってるんじゃと心配してみたり・・・時は金なりと考え、定時までいれば日給は付くからと自分を励ましてます」
と、「ヒマ」で悩んでいる人から同調の声が寄せられている。
「デキる先輩」を選んで質問すべし
誰も仕事を教えてくれない、仕事を振ってくれない、だからすることがない――こんな状況が継続してしまうと、自身の成長にもつながらず、社内での評価も落としてしまうだろう。「ヒマな若手社員」はどう動くべきなのか。
クリエイティブディレクターの西島知宏氏のブログ「胸になんか刺さった」では、広告業界の新人の「正直暇です。忙しくなるのはどうすれば良いでしょうか」という質問に答えている(15年7月6日)。
西島氏は「暇ですよね1年目」と同意しつつ、「暇なのは残念ながらあなたが動いていないからなのです」とバッサリ。「あなたから何かしらの行動を起こさないと何も変わらない」として、「デキる先輩に『何かお手伝いできることないですか?』と聞いて回る」ことを勧めている。
「デキない先輩」は「チーズバーガー買ってきて」「合コンセッティングして」などろくな仕事を振ってこないとして、「同じ部署で一番輝いてる先輩に、できれば残業時間、誰もいなくなってから声をかけましょう」とアドバイスしている。
ほかに「広告図書館に行って過去の資料を読み漁る」ことも勧められている。新しいアイデアを生み出すのに過去の資料を読み漁ることは効果的で、そんな時間が取れるのは新人の頃しかない、という。
西島氏のアドバイスは広告業界の新人に限らず、あらゆる業界で実践できそうな方法だ。(MM)