看護師F子の転職物語 彼女はなぜ「美容クリニック」を選んだのか

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「少しのマイナスを、プラスにもっていく」

   F子さんは、たまたま見つけた美容外科クリニックの求人を見て、転職しました。これまでの仕事と違い、「お客さま」の美を叶える整形手術(の補助)がメインです。

   彼女のように、最初は病棟勤務や救急外来などの現場にいた人が、「美容クリニック」に転職する例は、珍しくないそうです。

「救命救急センターの仕事に、やりがいがなかったとはいいません。でも、私には続けられなかった。患者さんの『マイナス』を、『プラス』に持っていくことが、できなかったからです。その点、今勤める美容外科は、患者さんの『少しのマイナスを、プラスにもっていく』仕事。はじめから悪いところなどない女性や男性の、『プラスをプラスにもっていく』こともあります。キレイになった女性が喜ぶ顔を見るのが、何より嬉しいんです」(F子さん)

   「扱いづらい患者様もいるけど、やりがいはある」。そんなF子さんは最後に、「私みたいに、患者さんの喜ぶ顔が見たい、という看護師は多いと思いますよ。それを、どんな病院で叶えるか、という違いだけではないでしょうか」と、付け加えました。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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