企業が派遣社員を受け入れる期間の制限を事実上なくす「改正労働者派遣法」が、2015年9月11日の衆議院で可決、成立した。施行は9月30日で、企業や働く人は、対応に追われている。
今回の改正では、これまで同じ部署で働く期間に制限がなかった「通訳」や「秘書」など、「専門26業務」の区分が廃止される。どの業務でも、原則、同じ職場では3年までしか働けなくなるのがポイントだ。ネットでは法案が可決後、理解を示す声もあるが、「もしかして、3年で『使い捨て』?」と、不安を訴える声も相次いでいる。
「どんどん生きづらい世の中になっていくな」
「結局、派遣は、3年使い捨て制度になったのか・・・ホントに、社会的に地位のない人は、どんどん生きづらい世の中になっていくな・・・」、「就職氷河期から続く負の連鎖に陥ってますね」
ツイッターでは、ビジネスパーソンらしき人たちの、「嘆き」や「あきらめムード」が漂っている。「『職種制限』『期間制限』が撤廃されることで、制度の濫用がこれまで以上に横行しないことを祈りたいが、それは無理な願いかも」と、がっくり来ている人もいた。
改正派遣法では、どんな業務も一律「3年」の期間制限を設ける一方、派遣会社に対しては、勤務が3年となる人に、企業への直接雇用を依頼することや、別の派遣先を紹介することなどが「努力義務」となる。が、あくまで「努力義務」なので、どのくらい実効性があるか、疑問視するつぶやきも多い。「派遣労働者より派遣会社を助けたい。そんな改正に見えるのは自分だけかな」と、指摘する人もいた。
「企業の『奴隷』正社員よりも、派遣のほうがいい」
一方、派遣法改正に理解を示す声もある。「正社員は企業の奴隷になる生き方。俺はフリーの方が給料安くてもいいわ。こういう考え方もある」と、意見する人もいれば、「僕自身、決して裕福な生活も出来ていない」という人は、それでも「派遣法改正は前向きに捉えるべき」とツイート。「雇用の流動性を高めるアメリカ型の社会を望む、と政府は考えているのだろう」と意見していたが、「そうであれば、公務員や正社員の岩盤的な保護形態も改めればいい!」とつぶやくなど、「雇用の流動化は、全業種でやってくれ」と言いたげだ。
やはり目立つのは、同じ部署で「3年」しか働き続けられなくなることに、「不安・不満」を訴える声だ。実際に、派遣社員として働いているとみられる人からは、「今後のこと考えなくちゃいけなくなってしまったな・・・」といったつぶやきもあった。(KH)