産休・育休制度もかなり浸透してきたが、制度を利用する本人と職場の同僚らとの間には、まだまだ意識の溝があるようだ。ネットには双方の立場から、さまざまな相談事が寄せられている。
中には、育休明けに、職場の同僚らの前で「暇だ」と発言する人もいるようで、こうした例を他山の石とすべく、助言を求める女性もいる。
「無意識に誰かを不快にさせたくない」
女性向け掲示板サイト「GIRL'S TALK」に、「育児休暇明けの女性に気をつけてほしいこと」をたずねるトピックが立てられた(2015年8月30日)。
もうすぐ育休を終えて営業職で復帰するという投稿者。最近、先に育休から復帰し、当座簡単な作業に従事している先輩について、「忙しく働く同僚達の前で大声で『あー。暇だー!(笑)』と何度も言っていた」という愚痴を耳にしたそうだ。
「これはダメだな、、と思いました。。たとえ本当に暇だったとしても、その状況で大声で言うのはダメだなと。仕事なんて自分から動けばいくらでもあるし。。ということがあったので、私も復帰した後に無意識に誰かを不快にさせたくないなぁと思うようになりました」
といい、「育児休暇明けの女性に気をつけてほしいことがあれば、ご意見いただけると有り難いです」とコメントを求めている。
「誰も気がついていない改善」を提案
コメント欄には、
「もし時間に余裕があるなら行動や態度だけでも『何か手伝えることありますか?』と聞くとか、雑用とか進んでやるとか。当たり前!みたいな態度取らないで謙虚にしててくれたらいいのでは??」
「周りへの感謝は惜しみなく。謙遜は、へりくだりすぎないことかもしれません。また、雑務をしっかりこなすとか、電話に早くでる等、細かいところは見られています。私は忙しいからと、雑務を避けたり、担当外の仕事を嫌がるとかもNGですかね。しばらく頑張っていると、周りからの目が違ってきます 一切甘えず、仕事は完璧にこなします!という雰囲気は悲壮感を漂わせ、周りに気を遣わせますから避けた方が無難」
など、多様なアドバイスが寄せられている。
東洋経済オンラインには、東大卒の働くママによる「育休明けの働き方」のアドバイスが掲載されている(15年3月16日)。
復帰後に実践したこととして、以前より仕事量が減った分、職場にいなくても考えられる「誰も気がついていない改善」を提案する。
知らない子供が熱を出しても「ふーん」で終わるが、知っている子供だと「早くよくなるといいね」になるとして、同僚に子供の顔を見せておいたり、翌日に休むか不明の時は、SNSで「ぐったりしていて心配」などと投稿しておいて同僚や関係者に心構えをしてもらう、といったやり方が挙げられている。
この記事は「キャリア形成と育児の両立」の面からのアドバイスだが、周囲を不快にさせない復帰後の働き方にも通じそうだ。(MM)