就活時期、経団連が早くも見直し? 「結局いつがいいのか」その答え

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選考開始前に内定6割の不思議

   では、この16年卒の就活時期、結局、どうなったでしょうか?

   当連載の2回目(「就活『後ろ倒し』の虚々実々 本当の「選考開始」をズバリ予想」<2014年9月22日>)では、経済団体の判断分裂(経団連は時期変更を決定。楽天などが中心となる新経済連盟は「選考時期は各企業の判断」とコメント)、そして、選考開始のピークが3年生3月以前、4年生5月、4年生7月と予想しました。

   採用広報活動の企画提案などを行っているディスコ(東京・文京区)の「2016年度・新卒採用に関する企業調査(2015年7月中間調査)」によると、筆記・適性テスト、面接の開始時期はそれぞれ以下の通り(ネット調査、回答1144社)。

・筆記・適性テスト

3月以前...24.8%、4月...27.4%、5月...18.7%、6月...11.3%、7月...7.5%、8月...8.5% ・面接

3月以前...15.6%、4月...26.7%、5月...20.7%、6月...13.2%、7月...6.6%、8月...14.6% ・内定出し(内々定含む)

3月以前...4.6%、4月...14.1%、5月...19.7%、6月...22.8%、7月...13.2%、8月...17.2%、9月以降...8.5%

   こうしてみると、選考開始時期について、「3年生3月以前」は当たっていますが、「4年生5月」は微妙ですね、大甘に見て、やや当たり、というところでしょうか。想定以上に、4月実施の企業が多かったようです。「4年7月」は大外れ。

   いや、実は去(14)年の時点では、「4年生7月」の企業も結構あったのです。それが、どの企業も早いと見るや、続々と変更。

   内定出しでは、「4年生8月以降」が25.7%もあるとは意外でした。もっと少ないと思っていたので。

   とは言え、7月以前で74.4%もの企業が内定出しを始めている、ということは、いかに各企業とも就活時期変更を無視しているかが明らかです。

   別の調査でも同様の結果が出ています。リクルートキャリアの就職みらい研究所「2015年8月1日時点就職内定状況(2016年卒)確報版」では、8月1日選考開始の時点での内定率は65.3%でした。

   15年卒の選考開始日だった4月1日時点の内定率は18.5%。もちろん、この調査は内定率であって、ディスコの調査と単純に比較することはできません。が、いずれにしても、6割以上もの企業が、時期変更を無視したことになります。

   そもそも、時期変更は法律で決まってはいません。単なる紳士協定であり、破ったところで罰則はありません。

   しかし、15年卒までは曲がりなりにも守る企業が経団連加盟企業を中心にありました。それが、16年卒では経団連加盟企業ですら、守らない企業が続出しています。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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