正循環の方が心臓発作のリスクが低くなる?
さらに学術誌「サイコソマティック・メディシン Vol.45, No,5」(1983年10月)に掲載された海外の研究では、45人の警察官を逆循環と正循環のシフトで4週間ずつ勤務させ、血液中の心臓発作に関わる成分を調べたところ、正循環シフトで勤務していた人の方がリスクが少ないことを示唆する結果が出たという。
一方で、現在3交代勤務の現場で主流なのは逆循環シフトだ。連休が取りやすいことで多く用いられているが、前出の神奈川県立がんセンターでは、1999年以降、他の病院で医療事故が相次いだことをきっかけに、現場の疲労が原因の一つと見て正循環に目を付けたそうだ。
現在センターの病棟では8人が正循環を選択。体調が整ったことで、患者へのケアの質が上がったと感じている人もいるという。
看護師で作る団体が2013年に公表したガイドライン(日本看護協会『夜勤・交代制勤務に関するガイドライン』)では正循環が推進されているほか、鉄鋼業など製造分野でも導入され始めている、という紹介で特集は締めくくられた。