「いちばん大変」なのはアイドルの衣装作り 憧れの「スタイリスト」仕事現場を直撃

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   タレントやモデルの「衣装」を決める仕事、「スタイリスト」。響きからして格好良く、おしゃれな感じがします。ただ実際に、どんな仕事ぶりなのかは、外からは見えづらいもの。

   今回は、そんなスタイリストにあこがれて上京してきた女子に、「スタイリスト業界のリアル」を聞いてみました。きらびやかに見えて、その実態は「体力勝負」、おまけに見習いのうちは「徒弟制度」さながらの、過酷な労働環境だそうです。

まるで、現代の『徒弟制度』

何かと大変
何かと大変

   「高校生の頃からずっと、スタイリストになりたかったんです」と話すのは、都内のファッション専門学校に通う、友美さん(21歳、仮名)。彼女の学校は、多くの有名スタイリストを輩出しています。先輩たちに憧れて、スタイリストを目指す女子も多いのだとか。筆者は以前、キャリア女性向けのファッション誌のスタイリストさんを取材したことがありますが、友美さんも、雑誌業界を目指しているのでしょうか。

   「いえ、スタイリストって、雑誌以外にも、沢山仕事があるんですよ。バラエティ番組、アイドルの衣装作り、映画の撮影、広告・・・芸能人が服を着る時はほとんど、スタイリストがついているといってもいいくらい。だから、売れっ子スタイリストは、すごく忙しいんです。その代わり、トップクラスになると、高級外車に乗っていたり、ブランドバッグを持っていたりして、やっぱりすごいなと思いますね」(友美さん)

   「衣装あるところにスタイリストあり」といえるほど、スタイリストの活躍する現場は多いのだそう。有名になれば、高収入も期待できる・・・ファッションが好きなら、やりがいはありそうです。しかし友美さんは、最近、考えが少し変わってきているとか。

   「私の学校には『インターン制度』があるんです。OB・OGのスタイリストに『アシスタント』として同行して、仕事を手伝うのですが、もう大変。朝がすごく早いのは分かっていたけど、とにかく、持ち歩く衣装が大量で、熱中症になりそうでした。荷物はキャリーバッグで、電車で移動。しかも、たった3着のコーディネートを決めるのに、100着以上の衣装から選ぶんです。撮影が夜に終わってから、それぞれのブランドの『プレスルーム』に、その100着を、数着ずつ返しに行くんです」(友美さん)

   スタイリストは「体力勝負」です。雑誌や映画の撮影では、朝早くから、大量の洋服をもって移動するのはもちろん、撮影現場にも立ち会い、様々なブランドから借りた衣装を「返す」ところまでが仕事なのですね。さらに、見習いのアシスタントには「お給料がほとんど出ないケースもある」(友美さん)。まるで、現代の『徒弟制度』ですが、アシスタント時代に生活が成り立たず、夢を諦める若者も多いのだとか・・・。

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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