最近久々に憤慨したことがあった。
「サービスの変更があるので、手続きについてご連絡してください」
要するに、サービスの変更というのは値上げのことである。値上げ幅がひどかったので、解約するつもりであった。
しかし、問い合わせ先の電話番号は、フリーダイヤルだった。
「日本の固定電話か携帯電話よりおかけ直しください」
私は海外在住だが、フリーダイヤルはどうやってもつながらないのだ。海外の電話から普通にかけても、拒否される。スカイプの有料サービスや、050番号でかけられるIP電話をつかってもダメ。
まったく連絡手段がないのである。
しかたないので、日本の知人に頼み込み、日本国内からこのフリーダイヤルに電話をかけて、
「普通の03番号か、担当者の携帯番号をおしえてほしい」
と依頼してもらうようにした。
しかし、結果は、あっさり拒否されたのである。
「フリーダイヤルの番号しか用意していない。個人の携帯は教えられない」
のだそうだ。いい加減にしてほしい。
「海外からではつながらないのだが?」
「日本の固定電話か携帯電話よりおかけ直しください」
守るべきは、ルールかカスタマーか
そもそもフリーダイヤルというのは、顧客に電話料金の負担をさせないための顧客サービスであったはずだ。本来は、顧客が負担なくカスタマーサービスに電話をかけられるようにという配慮のためである。電話はつながるのが当たり前で、その上で、フリーなら申し分ない。
しかし、この会社は、順番が逆転してしまっている。フリーダイヤルが絶対に大事。電話がつながらないひとがいてもいい。ということだ。
こういう会社とはもう契約を維持したくないので、解約した。結局日本に一時帰国した時に、他人の電話を借りて電話した次第であり、ものすごいコストと時間がかかったのである。最悪の顧客サービスであった。
いまや日本国内にいても、ひかり電話やプロバイダの電話などのIP電話をメインで利用しているところも多く、事業所も例外ではない。むしろコスト感覚にすぐれた小規模な事業所の多くがIP電話だ。
また、スマホでも、データ通信の契約だけをして、050PLUSや、LINE電話などのアプリから電話をかけて、通話の契約をしていない人もいる。
こういう人が、のきなみフリーダイヤル難民になっている。
かつては顧客のためだったルールが時代の変化で、カスタマーの利益を損なっている。こういう場合、守るべきは、ルールだろうか、カスタマーだろうか。(大石哲之)