日本経済団体連合会は、2015年から導入した大学生の就職活動の日程を再び見直す。榊原定征会長が9月7日の記者会見で、16年春入社の大学生の選考解禁日を8月1日とした新しい指針について、「すでに来年度の採用準備が進んでおり、抜本的には無理だが何らかの改善ができるのではないか」と、制度変更を検討する方針を示した。
「4年生4月」に面接を解禁する従来の日程に戻すことも、「選択肢としては当然ある」と語った。
経団連は、大学生の学習時間を確保してほしいとの政府要請を受けて採用活動の指針を見直し、16年春入社の大学生に対する面接などの選考開始時期を4か月後ろにずらした。しかし、正式な内定解禁日の10月1日まで採用期間が2か月しかないため、企業間の競争が過熱。8月1日時点で3分の2の大学生が内々定を得たという調査結果も出るなど、企業内でも解禁前に採用活動を行う「抜け駆け」があったと指摘されている。
今後、会員企業向けの調査を踏まえ、どこまで見直すかを判断する。