一足飛びで進化するカンボジア 若者の「常識」にびっくり

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   私は、カンボジア・プノンペンでサムライカレープロジェクトという研修プログラムを行っており、8月などは多数の大学生を受け入れております。

   そうすると、中にはしっかりした人もいて、日本で海外用のWifiルーターを借りてきて、どこでもWifiに繋げるように準備してきたりもします。

   しかし、そのWifiルーターのレンタル代を聞いてぶったまげてしまいました。2週間2GB通信で、1万円!

電話線は通っていないが・・・

動画も漫画もスマホで
動画も漫画もスマホで

   実は、カンボジアでSIMフリーのスマホやWifiルーターにさせるSIMカードは1ドルで売ってます。

   さらに、データ通信料は、1か月・2GBまで使えて3ドルです。1万円対3ドル(360円)。この差は圧倒的です。下手すると、中古のスマホをカンボジアで買って、SIMをさした方がレンタルをして持ってくるよりも安いわけです。まあ、日本から到着してすぐ使える、わざわざ携帯屋を探して歩かなくていいなどメリットもあるので、1万円のWifiルーターレンタルもそれほど悪いものではありません。

   最近、プノンペンの携帯事情で驚いたのが、4Gの電波が飛ぶようになってきたことです。固定回線は、光も始まっていますがいまだに高く、低速回線が中心。そうすると、固定回線の調子が悪いときは携帯電話の4Gの方が早いなんて事もちらほらです。

   そして、プノンペンから離れて田舎の方に行くと、いまだに電話線すら通っていないところも多数あります。しかし、そんなところにも携帯の電波は飛んでおり、スマホでFacebookを見て遊んでいます。

   さらに、私の知り合いなどは、電気も通っていない山奥にソーラーパネルを設置し、そこからWifiルーターを充電できるようにして、「電気はないけどフリーWifiゾーン」なんかを作っていました。

   こんな風に、新興国は進化の順番がでたらめで、何段も飛ばして技術が革新していっています。

固定電話って何?

   家にはテレビがなくて、自宅でテレビを見たことないのに、スマホでYoutubeを見るのが趣味の子や、漫画の本は一度も見たことがないけど、スマホでNARUTOは見て台詞を暗記している子など、なかなか我々の常識が通じない人がたくさんです。

   先日も、カンボジアの学生に「Cell Phoneって何?」と聞かれたときに、「固定の電話ではなく、携帯電話のこと」と説明したのですが、いまいちピンと来ていないようでした。

   だから、こうやって本体が電話線とワイヤーでつながってて・・・と絵で描いて説明したのですが、最終的にわかったことは、「彼が、固定電話を見たことがない」ということです。彼の中ではCell Phoneという言葉は必要ではなく、Phoneといえば自動的に携帯電話なわけです。

   それ故に、固定回線を使ったネットワークはなかなか光回線の導入が進まず、値段も高止まりしているのですが、モバイルネットワークはどんどん早くなり、価格も下がっていっているわけです。

   そんな現地の人たちには、どんなものが受けるのか?必ずしも日本で受けたものがこちらでも受けるかはわからない、というのはこういう所から来ているのかもしれません。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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