母の日に働く従業員も親孝行したい 飲食チェーンが打ち出した秘策とは

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   「母の日」は日本では5月の第2日曜日だが、タイではシリキット王妃の誕生日である8月12日と定められている。

   その母の日にあわせて、タイの焼肉チェーンが制作し、2015年8月6日にYoutubeで公開した動画が、わずか2週間たらずで349万回再生と注目を集めた。

1週間前に店で食事する機会を提供

レストランで母親を抱きしめる従業員
レストランで母親を抱きしめる従業員

   家族を大切にするタイでは、母の日には家族で食事をすることが多いそう。しかしこの焼肉チェーンなど飲食店ではたらく従業員は、そうした家族をもてなさなくてはいけないため、本人たちは当日、家族で食事をすることができない。

   こうした状況を焼肉チェーンの「Bar B Q Plaza」は心苦しく思っており、母の日の1週間前に、従業員が自分の母親と店で食事する機会を提供する企画を考えた。

   その食事の前に、焼肉チェーンは企画に参加する従業員にアンケートを実施。「最後に母親と食事をしたのはいつか」「母親の好きな食べ物はなにか」「会ったら母親になにを食べさせてあげたいか」「そのときに母親に伝えたいことはなにか」

   従業員の中には、アンケートに回答を記入しようとするも、母親のことを思い出してか、涙ぐみ、机に突っ伏してしまうひともいた。

みなさんをもてなす準備ができました

   従業員が母親を連れ、レストランを訪れる。子どもの職場に連れて来られた母親たちは嬉しそうだ。

   子どもが母親に食事をよそってあげたり、口まで運んであげたりと、久しぶりの食事を楽しむ。そして最後に、先ほどのアンケートを踏まえ、従業員がしたためていた母親への手紙を手渡し。母親が向き合って座る子どもの方に移動し抱き寄せたり、親子で一緒に泣き崩れたりした。

   Youtube動画の最後には「We're ready to help you.」、つまり「みなさんをもてなす準備ができました」というキャッチコピーが。母の日でも従業員ははたらく準備ができていることを伝え、視聴者に来客をうながした。

   この動画を見れば、当日来店する客の従業員への態度もかわり、従業員にとっても働きやすい職場、客との関係が構築できるかもしれない。会社と従業員と顧客のフェアを訴えかける、いまの時代感にあった動画だと感じる。(岡徳之)

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