「女性だけの職場はイヤ」を、どう解消する?
「保育士を辞めて、旅行代理店で働いている」のは、純子(28歳)。彼女も、やはり「女性同士の人間関係」を理由に退職しました。駅構内の旅行代理店に転職して1年経ちますが、今のところ、保育士に戻る予定はないとか。「保育士はもういいかな。今の仕事も楽しいわけじゃないけど、彼氏と結婚するまでは辞めないと思う」(純子)。
3人の「元保育士」に共通しているのは、「子どもが好きで、早く結婚して子どもが欲しい、子育て中は主婦業に専念したい」と考えている点です。子どもが好きで保育士になったのですから、自分の子どもなら、なおさら大事に、自分で育てたいのかもしれません。保育士の勤務時間は不規則かつ長時間なことも多いので、「自分の育児」との両立が難しい限り、20~40代くらいの子育て世代では、潜在保育士は増え続けるのではないかと思います。
「女の人間関係」を理由に保育士を辞めた2人の知人、サトミと純子が、口をそろえて「保育士に戻るつもりはない」と言っていたのも印象的でした。「女性だけの職場はイヤ!」と、思ってしまっているのでしょうか。一方で、「責任の重さ」を理由に退職した真奈美は、「子育てが一段落したら、保育士に戻るかも」と言っています。彼女は、女性が多い職場にネガティブなイメージがないのかもしれません。もしかしたら経営側には、「先生同士の人間関係」を上手く保つ『マネジメントの工夫』も必要ではないでしょうか。そうすれば、少なくとも保育士さんの「人間関係による離職」は防げるのでは、と思うのですが・・・。(北条かや)