入社してすぐに辞めてしまう新社会人は珍しくない。新卒者の卒業後3年以内の離職率は大卒で3割強、という厚生労働省の調査結果(2014年11月公表)もある。
こうした「すぐ辞めてしまった新社会人」の退職理由に関する分析結果が公表されると、先輩社会人からは「そんな理由で!」とのお叱りが相次いだ。
「思い描いていたキャリアと違った」
企業口コミサイト「Vorkers」の「働きがい研究所」は、サイトに寄せられた口コミのうち、新卒入社で3年以内に退職した平成生まれの若手社会人による企業評価レポートから「新卒入社3年目までの社会人が会社を辞める理由」を分析、結果をまとめた(15年4月14日)。
最も多い退職理由は「キャリア成長が望めない」(25.5%)で、「残業・拘束時間の長さ」(24.4%)、「仕事内容とのミスマッチ」(19.8%)を抑えてのトップとなった。
具体的には、
「安定はしているが、女性の成長機会がなかなか設けられていない(紙・パルプ、女性)」
「思い描いていたキャリアと違い、自分の将来像と重なる部分が無いと感じたため(ホテル、男性)」
「他のキャリアアップをしてみたかったから。一生に一度の人生であり、いろいろと挑戦してみたかったから(官公庁、男性)」
といった理由が挙げられている。
同研究所はこうした理由について、
「終身雇用制や、年功序列のキャリアアップを望めない今の若手社会人世代にとって、長い下積み時代よりも早く次のステップに進みたい、という思いが強いように感じられます。企業にとっては、いかに成長できる場を提供し続けることができるかが、これまで以上に重要となるのではないでしょうか」
とまとめている。